「いつかは家を建てるんだろうな」
そんな風に、どこか他人事のように考えていたマイホーム。それが急に「自分たちの現実」として目の前に現れたのは、第一子が誕生したばかりの頃でした。
当時、私たちが住んでいたのは会社の社宅。家賃が抑えられるありがたい環境でしたが、そこには避けて通れない「社宅定年」というタイムリミットがありました。
残り数年。 「まだ先のこと」と思っていた期限が、子どもの泣き声とともに、急にカウントダウンの音を速めたような気がしたのです。
1. 幸せなはずの毎日に、忍び寄る「狭さ」の限界
赤ちゃんとの生活は、想像以上に物が増えます。ベビーベッドにオムツのストック、おもちゃ……。 それまで夫婦二人でちょうどいいと思っていた社宅の間取りが、日に日に狭く感じられるようになりました。
さらに、わが家には大切な家族である7羽のインコたちもいます。 子どもがハイハイを始め、部屋を動き回るようになれば、今のスペースでみんなが安全に、のびのびと暮らすのは難しい。
「この子が走り回れる場所を作ってあげたい」
「インコたちも、ストレスなく過ごせる環境を守りたい」
親としての、そして飼い主としてのそんな願いが、家探しのスイッチを強く押し込みました。
2. 理想と現実の「板挟み」に悩む日々
いざ家探しを始めてみると、現実は甘くありませんでした。
不動産サイトを開けば、目に入るのは最新設備が整ったピカピカの新築住宅。 「せっかく買うなら新築がいいよね」と妻と話したこともあります。でも、物件の価格表と、これからかかる「子どもの教育費」や「自分たちの老後資金」のシミュレーションを並べてみると、どうしても手が止まってしまうのです。
「月々のローンのために、家族との外食を我慢しなきゃいけないの?」
「もし、仕事や健康に何かあったら、この支払いはどうなるんだろう?」
幸せになるための家作りなのに、そのせいで将来の不安が増えてしまう。
そんな「理想と現実の板挟み」に、私たちは何度も頭を悩ませました。
3. 「普通」という枠を外してみる
社宅の期限が迫る中、私たちはある結論に達しました。
それは、「みんなが選ぶ『新築』という正解に、無理に合わせる必要はない」ということです。
私たちが本当に欲しいのは、豪華な玄関や最新のシステムキッチンではなく、
「家族が将来にわたって、お金の不安なく、笑顔で暮らせる場所」でした。
そう考えた瞬間、私たちの視界はガラリと変わりました。 新築だけに絞っていた検索条件からチェックを外し、「中古住宅」という広い海へ、本当の宝探しに出かけることにしたのです。
次のステップへ
こうして始まったわが家の家探し。 次に向き合ったのは、「なぜ新築ではなく中古なのか?」という、より具体的なお金のリスクと資産価値のお話です。
次回の記事: [02] ローンに縛られない「家計のルール」:学費も老後も諦めない決断


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