前回の記事:[04] 中古物件という「宝探し」の日々:家族の笑顔を守る場所を求めて
中古物件のポータルサイトを毎日チェックしていると、時々、情報の出し方が極端に不器用な物件に出会うことがあります。
私たちが目にとめたその物件も、まさにそうでした。 掲載されているのは、1枚の外観写真と、簡単な間取り図だけ。室内写真もなければ、詳しいアピールポイントも書かれていない。普通なら「よくわからないから次へいこう」とスルーしてしまいそうな、そんな簡素なページでした。
でも、私はその間取り図の「ある違和感」から目が離せなくなりました。
1. 間取り図に並んだ「1Fと2F、それぞれにある水回り」
その間取り図には、1階にも2階にも、キッチンとお風呂が描かれていました。 「よくある二世帯住宅なのかな?」
そう思いましたが、以前読んだ『日本を守る家』という本にあった、家賃収入でローンを助けてもらう「賃貸併用住宅」の例が頭をよぎりました。
もし、この間取りが単に部屋が分かれているだけでなく、インフラまで切り分けられる「完全分離」なら、フロア貸しに出すという選択肢が生まれるのではないか?
ネットの情報は少なすぎて、確証はありません。でも、この「水回りが2つずつある」という事実が、妙に気になっていました。
2. 直感を信じて、現地で「答え合わせ」
「まずは自分の目で確かめてみよう」
そう決めて、家族で現地へ向かいました。 そこで待っていたのは、ネットの簡素な情報からは想像もできなかった、理想的な「器」でした。
案内された建物の外壁を確認した瞬間、私の直感は確信に変わりました。
そこには、1階用と2階用のメーター類(電気・水道・ガス)が、すべて独立して並んでいたのです。
「これは、ただの家じゃない。完璧な『2つの住居』が重なったシステムなんだ」
玄関も別々、生活機能も別々。これなら、自分たちが1階に住みながら、2階をフロア賃貸として運用することが物理的に可能になります。
3. 「情報の少なさ」の裏側にあった、本当の価値
多くの人が見落としてしまうような簡素な募集情報。でも、その間取り図の奥に隠されていたのは、私たちが理想としていた「家賃をもらいながらローンを返す」という、資産形成のプラットフォームでした。
前オーナーさんが、プライバシーと家計をきっちり分けるためにこだわり抜いた、本気の設計。 築16年超という時間は経っていましたが、建物の造りは非常に頑丈で、愛情を込めて手入れされてきたことが伝わってきました。
「この家なら、私たちの未来を支えてくれる」
ネットの情報を疑い、自分の足で「答え合わせ」に来たからこそ出会えた、運命の1軒。私たちは迷うことなく、この家を新しい家族の拠点に選ぶことに決めたのです。
次のステップへ
理想の「器」を手に入れ、夢が大きく膨らんだ私たち。 しかし、その先に待ち構えていたのは、賃貸併用という少し特殊な物件ゆえの「お金」の現実でした。住宅ローンの高い壁、そして持病という予期せぬエラー。その泥臭い奮闘記が始まります。
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