過剰な保険はもういらない!固定費を削って投資に回す方法

家計管理
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「毎月なんとなく数万円の保険料を払い続けている」

「解約して、もし万が一のことがあったらと思うと不安で踏み切れない」

家計の見直しにおいて、効果の期待できる大きな固定費削減が「民間保険」です。しかし、多くの人が「解約した後に病気になったらどうしよう」「自分が死んだら家族が路頭に迷うのでは」という漠然とした不安に縛られ、毎月数万円という大金を保険会社に支払い続けています。

結論から言いましょう。保険は「安心を買うためのお守り」ではありません。万が一の事態が起きた際に、「手持ちの資産や公的保障ではどうしても足りない分」を補完するための、スポットツール(引き算の道具)です。

なぜ多くの人が保険を適正サイズに削れないのか。それは、自分がすでに持っている「圧倒的な防御力(公的保障・団信・手元の現金)」を正確に数値化していないからです。

本記事では、賃貸併用住宅の「団体信用生命保険(団信)」と、日々の暮らしを守るために構築する「生活防衛費」を前提とした、民間保険の合理的かつリアルな仕分けの仕組みを徹底的に解説します。「不安」という感情に流されず、数字と確率に基づいて家計の防衛線を再構築していきましょう。

1. 保険の必要額は「引き算」でしか導き出せない

保険会社の営業マンやテレビCMは、言葉巧みに「もしもの時のリスク」を巨大に見せかけてきます。しかし、彼らの提案書の多くは、私たちが最初から持っている強力な「公的保障」をわざと過小評価するか、あるいは完全に無視してシミュレーションを組んでいます。だからこそ、提案される保障額が数千万円〜数億円という過剰なサイズになってしまうのです。

民間保険の正しい必要保障額は、以下のシンプルな「引き算」の数式でしか導き出せません。

必要保障額 = 万が一の際の総支出(生活費+教育費) - 公的保障(遺族年金) - 団信(住居費ゼロ化) - 手元の純資産

この数式に当てはめていくと、特に会社員であり、かつ住宅ローンを組んでいる人の場合、民間保険でわざわざコストを払ってカバーすべき「不足分」は、驚くほど小さい、あるいは完全にゼロになることがはっきりと証明されます。

民間保険を闇雲に契約するのは、すでに防弾チョッキを着ているのに、その上からさらに重い鎧を何枚も重ね着して身動きが取れなくなっているようなものです。まずは、私たちがすでに標準装備している「4つの盾」の正体を明らかにしていきましょう。

2.死亡リスクを無力化する「2つの盾」:団信と公的遺族年金

1の盾:団信がもたらす「住居費の消滅」

家計における最大の固定費は「住居費」です。そして、住宅ローンを契約した瞬間、私たちは「団体信用生命保険(団信)」という、民間の生命保険とは比較にならないほど合理的で巨大な死亡保障を手に入れています。

万が一、債務者である自分に不測の事態が起きた場合、この団信が発動して住宅ローンの残高は一瞬で「ゼロ」になります。

そもそも団信とは、住宅ローンを組む際にほぼ必須(契約の必須条件)となっている、言わば「お家専用の生命保険」です。民間の生命保険は、自分で毎月数千円〜数万円の掛け金を支払って「もしもの時の固定の保険金(例:3,000万円)」を準備しますが、団信は全く毛色が異なります。

団信が保障するのは、あくまで「その瞬間のローンの残り(残債)」です。

万が一、ローンの名義人が亡くなったり、高度障害を負ったりした場合、保険会社から銀行(債権者)へローンの残高分が直接支払われます。その結果、ローンの残高は文字通り一瞬で「ゼロ」になり、残された家族への支払い義務も完全に消滅します。

この仕組みが、民間の生命保険に比べて圧倒的に合理的である理由は3つあります。

  1. 保険料が「実質タダ」で組み込まれている 多くの金融機関において、団信の保険料は住宅ローンの金利に含まれています。毎月の生活費を圧迫する「目に見える固定費」として保険料を引かれることがありません。
  2. 保障額の減少が、家族の必要保障額の減少と100%連動する 子どもが成長して独立に近づくにつれ、家族に必要な死亡保障額は年々減っていきます。団信の保障額(=ローンの残債)も、毎月の返済が進むにつれて自動的に減っていくため、一切の無駄が発生しません。
  3. 加入時の健康状態の審査(告知)が、民間より比較的緩やか 多くの人がまとまって加入する「団体保険」の仕組みを使っているため、民間の生命保険に比べて加入のハードルが低く、持病があっても入りやすい(ワイド団信などがある)という特徴があります。

つまり、家を買ってローンを組んだ時点で、私たちは「何千万円もの住居費の負担リスク」を、追加の手数料をほとんど払うことなく完璧にカバーできているのです。

賃貸併用住宅×団信のハイブリッド防衛

これが普通の一戸建てであれば、「これからのローン支払いが消えて、住居費タダの箱が遺る」というだけで終わります。もちろんこれだけでも強力ですが、私が実践している「賃貸併用住宅」の場合、ここからさらに次元の違う攻めの遺族保障へと化けます。

債権者に万が一があった場合、ローンが全額免除されて自分たちの住む1階部分の住居費がゼロになるだけでなく、2階の賃貸部分からは、その後も変わらず毎月通帳に家賃収入が振り込まれ続けるからです。現金はインフレによって価値が目減りするリスクがありますが、不動産から得られる家賃収入は物価の上昇にも強い、強固なインフラです。

つまり、家を建てた時点で、家族に対して「住む場所」と「一生続くキャッシュフロー(家賃という名の自動仕送りシステム)」を遺す構造が完成しているのです。

2の盾:公的遺族年金との二重防備

さらに、会社員(厚生年金加入者)である場合、国から手厚い「遺族年金」がダブルで支給されます。18歳未満(高校卒業まで)の子どもが2人いる世帯であれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金を合わせて、毎月約15万円前後(年間約180万円前後)のキャッシュが国から遺族口座へ確実に振り込まれます。

家族が生活していく上で、「住居費が0円」であり、そこに「国の遺族年金(月約15万)」と「2階からの家賃収入」がダブルで入ってくる構造が確定しているならば、民間の生命保険会社に高い掛け金を支払ってまで、数千万円の死亡保障を上乗せ維持する必要性は完全に消滅します。

3.医療保険を不要にする「2つの最強の盾」:公的制度と生活防衛費

死亡保険の次に多くの人がなんとなく加入してしまっているのが、各種「医療保険」や「がん保険」です。「病気になったら治療費で破産する」「がんは4人に1人が罹るから特約が必要」といった不安のマーケティングに、日本の家計は年間莫大な手数料を引かれています。

しかし、ここでも日本の公的医療保険である「高額療養費制度」という最強の盾が標準装備されています。

3の盾:医療費の天井を決める「高額療養費制度」

会社員であれば、万が一大きな病気をして1ヶ月の医療費に100万円かかったとしても、実際の窓口負担は年齢や所得に応じて月額約8万円程度に抑えられる仕組みになっています。どれだけ高額な手術や先進的な治療(保険適用内)を行っても、個人の負担には明確な天井が用意されているのです。

4の盾:あらゆるピンチに100%発動できる「生活防衛費(現金)」

「それでも月8万円の負担が数ヶ月続いたら不安だ」と思うかもしれません。だからこそ、ここで登場するのが「生活防衛費」という手元の現金プールです。

保険会社に毎月5,000円、1万円という掛け金を払い続けるくらいなら、その原資をそのまま自分の銀行口座に「生活防衛費(数ヶ月〜1年分の生活費)」としてガッチリ貯めておく方が、遥かに合理的です。

なぜなら、民間保険は「指定された病気や怪我」の時にしかお金を出してくれませんが、口座にある「現金」は、病気の治療費としてはもちろん、急な家電の故障、車のトラブル、一時的な収入減など、人生におけるあらゆるリスクに対して100%発動できる「万能の自前保険」になるからです。

手元に十分なキャッシュ(純資産)さえ育てば、民間の医療保険にコストを支払う合理的な理由は失われます。

4. 「若いうちに加入したからお得」という大いなる誤解

民間保険のリストラを提案すると、決まって「20代の若くて安い保険料のまま維持できているから、今解約したらもったいない。維持したほうが得だ」と考える人がいます。しかし、これは保険という商品の「料金体系の裏側」を理解していないことから生まれる思考の罠です。

そもそも保険料の計算式は、極めてシンプルな統計学(確率)に基づいています。

保険料 = (発生するリスクの確率 × 支払われる保険金) + 保険会社の利益・人件費(付加保険料)

若い時期の保険料が安いのは、単純に「その年齢において、死亡したり重い病気になったりする確率(リスク)が圧倒的に低いから」に過ぎません。若い時の保険料が安いのは「お得」なのではなく、ただの「リスクに見合った妥当な原価」を払っているだけなのです。

では、なぜ「一生上がらない定額保険料プラン」が存在するのでしょうか?

その正体は、「若くてリスクが極めて低い時期に、将来(高齢期)の分の高い保険料まで先払いさせて、全期間で均等に均(なら)しているから」です。

  • 20代〜30代: 本来の死亡・病気リスクはゼロに等しいほど低い。にもかかわらず、将来の高齢期に備えた余分な保険料を上乗せして払い続けている(=非常に払い損になる確率が高い期間)。
  • 60代以降: 本来のリスクは激増するが、若い時期に保険会社へ「前払い(無利息の貯金)」していた原資を切り崩すことでトントンになる。

つまり、「若いうちに入ればずっと安い」のではなく、「本来払わなくていい若い時期から、高齢期のリスクを理由に、保険会社に前払いさせられ続けているシステム」というのが定額保険料のビジネスモデルの正体です。

長く入り続ければ続けるほど、支払う総額は確実に上がり続け、保険会社への高い手数料(人件費や広告費)の支払い期間をただ引き延ばしているだけになります。

Tips:「国民の4人に1人はがんになる」という統計の罠

保険会社がよく使う「日本人の4人に1人(あるいは2人に1人)はがんに罹患する」というデータも、数字のマジックです。

この統計は、分母の取り方が完全に偏っています。全年齢を対象にしてデータを取れば、平均寿命近くまで生きた高齢者ががんに罹る確率が極めて高いのは、生物学的に当たり前の現象です。

日本の人口の年齢分布を冷静に考慮すれば、20代〜40代の現役世代ががんに罹患するリスクの確率は、統計的に極めて低い数値に留まります。

つまり、まだ若く、最もお金が必要な現役時代に、高齢期に発生する確率の高いリスクのために高い先払いコスト(がん特約など)を支払い続けるのは、資産形成の観点から見れば完全に「期待値の低い勝負」に大切なお金を賭け続けている状態なのです。

5. 私たちが実践する「感情と実利」の保険仕分け戦略

ここまで徹底的に保険の不要論を数字で解き明かしてきましたが、現実の暮らしにおいては、「正論100%」だけで突っ走ると家族の不和を招きます。また、保険の特約の中には、ごく稀に「極めてコストパフォーマンスの高い実利」が隠れているケースもあります。

数値としての合理性を追求しつつ、「家族への心理的配慮(安心感)」と「日常生活のリアルな実利」をブレンドして着地させた、私たちの保険の最新仕分け布陣を公開します。

① 死亡保険:完全解約ではなく「会社の低額プラン」で維持

数値上は、団信と遺族年金だけで家族の生活費はお釣りがきます。しかし、「完全に死亡保険をゼロにする」というのは、残される家族にとって心理的な不安が大きいものです。資産形成において「家族の理解と協力」は絶対条件であり、正論だけで相手の不安を無視してはいけません。

そこで私たちの家では、死亡保険を完全にゼロにするのではなく、勤務先の団体割引を活用した極めて低額で維持できる最低限のプランであえて残しています。資産がまだ目標額まで完全に育ちきっていない現役ステージにおいて、家族への「心理的な安心代」として極めて合理的なコストの掛け方だと割り切っています。

② 医療保険:「レジャー保険(特約)」を主目的に最低限で維持

医療費そのものは高額療養費制度と生活防衛費(現金)で完全にカバーできるため、本来の医療保障としての医療保険は不要です。しかし、私たちではある特定の実利目的のために、最低料金の医療保険を1本だけ維持しています。

医療費そのものは高額療養費制度と生活防衛費(現金)で完全にカバーできるため、本来の医療保障としての医療保険は不要です。しかし、私たちがある特定の実利目的のために、最低料金の医療保険を1本だけ維持しているのには理由があります。

その本当の目的は、医療保険本体ではなく、付帯できる特約の「個人賠償責任保険(レジャー保険)」です。

これは、家の外で他人のものを壊してしまったり、トラブルを起こしてしまったりした際、最大で1億円規模の補償が効く極めて優秀な守りになります。

実は、私が利用している団体保険では、「レジャー保険に加入するためには、医療保険への加入が必須」というルールになっています。

一見すると「余分な医療保険に入らされている」ように見えるかもしれませんが、中身をよく見ると驚くほど破格の仕様になっています。保険の対象となる本人に対して、日常生活での賠償、持ち歩いているモノの破損(携行品損害)、人から預かったモノの破損(受託物損害)、さらには万が一の際の弁護士費用まで全てコミコミになって、トータルで月々わずか数百円に収まります。

これだけの充実したカバー内容なら、「10年に1回」何かのアクシデントで使うだけでも、十分に元が取れる計算になります。単独で高いレジャー保険をあれこれ探して契約するくらいなら、団体割引が効く最低限のセットを賢く利用して、この「本命の超格安特約」をハメ込む方が、トータルのコストパフォーマンスが圧倒的に高くなります。

日常生活におけるあらゆるアクシデントの費用を賢く抑えるための「道具」として、この組み合わせを戦略的に維持する手法は、実利的な選択肢として大いにアリです。

Tips:【実例】「月数百円の特約」の体験談

ここで、この格安特約(携行品損害)の実例を紹介します。

以前、出先でノートパソコン(購入時16万円)の液晶をうっかり割ってしまったことがありました。メーカーに問い合わせたところ「修理不可」との回答。その時、この月数百円の特約のことを思い出して申請してみました。

もちろん、購入時の16万円がそのまま満額戻ってくるわけではありません。年数経過で価値が下がる(時価低下)というルールがあり、さらに自己負担金(免責3,000円)が差し引かれます。

その結果、最終的に「7万円」の保険金がおりました。

全額ではないとはいえ、完全に諦めていた壊れたパソコンから7万円が戻ってきたのです。その保険金を原資にして、新しく7万円強で新しいノートパソコンを買い直すことができました。

月たった数百円の保険料で、数万円の突発的な大出費をサクッとカバーできたわけです。「10年に1回使うだけでも十分に元が取れる」という意味が、きっと分かっていただけると思います。

③ 自動車保険:致命的なリスク(相手への賠償)だけに全振

車やバイクの任意保険についても、考え方は全く同じです。

対人・対物の場合は「事故を起こした後の、相手の人生に対する補償や法的な責任」が乗っかってくるため、個人の力では絶対に背負いきれないほどの巨額(数億円規模)になるリスクがあります。だからこそ無制限が必須になります。

一方で、「自分側のケガの補償(人身傷害など)」は、万が一のことがあっても、以降の補償や責任は自身で負う(コントロールできる)ため、必要となる金銭的な枠は限定的です。

すでに私たちが持っている「団信」「遺族年金」「生活防衛費」でカバーできる背景もあるため、過剰に補償金額を盛る必要はありません。相手への責任を最優先にしつつ、身内側の補償は適正サイズに下げて運用するのが賢い選択です(※なお、特約料が高い割に使ったら損をする構造の「車両保険」は、私たちは元から一切加入していません)。

浮いた固定費は「世界経済の複利」へ

保険の最適化とは、すべての保障をケチって「丸裸でリスクの戦場に飛び込むこと」ではありません。

  • 「団信」と「公的遺族年金」によって、死亡時の生活基盤がすでに鉄壁であることを知る
  • 「高額療養費制度」と「生活防衛費(現金)」によって、医療費の天井をコントロールする
  • 家族の「心理的な安心」のために、格安の団体保険や実利特約を戦略的に残す
  • 車・バイク・自転車は、最新の判例リスクをベースに「対人対物」に全振りし、身内側の過剰な保障を引き算する

この4つのステップによって保険の過剰積載を解消すると、あなたの家計からは、毎月数万円(年間にして10万〜20万円以上)の保険料が不要となってくるはずです。

この支払が不要となった保険料は、保険会社に無利息で前払いし続けるのは今すぐやめましょう。代わりに投資信託(NISAやNASDAQ100などのインデックスファンド)の自動積立へと流し込むべきです。

「誰かの不幸」に大切なお金を賭け続ける人生を卒業し、自分の行動と合理的な仕組みによって「家族の未来」を複利で増やす、本物の純資産の構築へとシフトしていきましょう。

この記事を書いた人

地方都市で働くSEです。
妻と2人の子供、4種のインコ(オカメ、コザクラ、ボタン、セキセイ)と暮らしています。
2025年、築16年超の中古住宅をリフォームし、家族での新生活をスタートさせました。この家は「賃貸併用住宅」として運用しつつ、屋根には太陽光パネルを設置。住まいそのものを資産に変え固定費の削減を実践中です。
「今日がいちばんわかいから」をモットーに、論理的に考え、安全運転で暮らしを整える過程を記録しています。

【このブログで発信していること】
住まいと家計: 賃貸併用住宅・ソーラー導入効果・投資など、「数字の多寡」よりも「仕組み作り」を重視した資産形成術。
食と健康管理:「減塩生活」という制約を楽しみながら、焼肉きんぐや丸亀製麺、スイーツの楽しみ方。
育児と鳥: 2児の育児について、鳥との快適な同居生活
趣味と日常:ゲーム(原神/DQX他)、雑記、旅行など
40代パパのリアルな試行錯誤が、同じような悩みを持つ誰かの「次の一歩」のヒントになれば幸いです。

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