太陽光パネルを設置するとき、多くの人がセットで検討するのが「家庭用蓄電池」です。「昼間に余った電気を貯めておいて、夜間に使えばさらに電気代が安くなりますよ」「災害時の停電にも安心です」と、業者さんからも熱心に勧められます。
確かに魅力的な提案ですし、仕組みとしては非常に美しいものです。しかし、いざ見積書を出してもらうと、その高額な費用に誰もが一度は足が止まるはずです。本体と設置工事を合わせると、簡単に100万円、あるいは200万円といった大金が飛んでいってしまいます。
わが家でも詳しく計算してみましたが、蓄電池を入れると元を取るまでに13年以上かかるという冷徹な数字が出ました。学費や老後のための資産形成をしたい私たちにとって、この重たい初期投資は賢い選択とは言えませんでした。そのため、まずは「パネルのみ(回収期間8年)」で迷いなくスタートしたのです。
しかし、太陽光パネルが稼働してから売電が本格的に始まるまでの間、モニターを見ていてあることに気づきました。日中に余った電気がどこにも行く場所がなく、電力会社にタダで吸い上げられている(寄付している)状態になっていたのです。これを見て、どうしても「もったいない!」と感じてしまいました。
全負荷でなく部分負荷という考え方
そこで急遽、蓄電池の代わりに導入したのが、家電量販店などでも買える「大容量のポータブル電源(ポタ電)」を活用するという方法です。わが家では信頼性の高いAnker(アンカー)社のモデルを選びました。
ポータブル電源といえば、キャンプや災害時の非常用というイメージが強いかもしれません。しかし、最近のポタ電の進化は目覚ましく、家の中の大型家電をそのまま動かせるほどの大容量・高出力なモデルが、家庭用蓄電池の数分の一という、現実的な価格で手に入るようになっています。
蓄電池は全負荷と呼ばれる家全体の電気をカバーする方式ですが、ポタ電はいわゆる部分負荷(一部のみカバー)という考え方。私たちは日常的に消費の多い個所のカバーをするツールとなります。
私たちがあえて高価な据え置きの蓄電池をやめて、ポータブル電源を相棒に選んだ理由は大きく3つあります。
- ① 初期費用を圧倒的に抑えて、今日から始められる 200万円以上の支出を抑え、十数万円の予算で、今日からすぐに電気を貯めて使う生活をスタートできます。浮いた分の予算はそのまま投資の元本に回せるため、家計全体の資産形成のスピードを落としません。
- ② 工事が一切不要で、メンテナンスが自由自在 壁に固定する蓄電池は、万が一故障したときの修理や、将来の処分にも専門の工事が必要になり、その都度コストがかかります。しかしポータブル電源なら、コンセントを抜き差しするだけ。万が一寿命が来ても、新しいものに自分で買い替えるだけで済みます。
- ③ 本当に必要な場所(インコ部屋など)へ持ち運べる ここが据え置き型にはない最大の強みです。普段はキッチンやリビングで、昼間に太陽光で貯めた電気を使って冷蔵庫などを動かし、日常の電気代を削るために使っています。 そして、もし万が一の大きな災害や停電が起きたときは、24時間の温度管理が欠かせないインコたちのいる部屋へ本体をごろごろと転がしていき、その場で冬場のヒーターを最優先で動かす、といった柔軟な命綱に変えることができるのです。
家計に無理な負担をかける高価な設備を背伸びして入れるのではなく、自分たちの身の丈に合った道具を賢く選んで使いこなす。
モニターに映る発電量を見ながら、私たちに最適な「部分負荷の仕組み」をカチッと組み立てる。そんなパズルを解くような感覚で、手間をかけずに固定費を引き算していくのが、私たちの家計管理にぴったりとはまった、とても大正解な決断でした。


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